Beyond Visibility

不思議現象を「根拠を持って」科学する

NHK「超常現象」を観て感じた、スピリチュアルと科学の齟齬

科学に不信を持つスピリチュアリスト・霊能者

スピリチュアルに不信を持つ科学者

双方の問題の一端が見られたかも

 

番組内ではまず、霊の目撃談の多いイギリス・ウェールズのマーガム城でのSPR心霊研究協会による調査の様子。


それを元に、霊体験の様々な実例を検証


〇体験者が感じる寒気・冷気の要因は、恐怖心に起因する体温低下

〇霊の目撃は、壁などのシミによるパレイドリア現象

〇オレンジ色の光の目撃を、脳の視覚野への電磁波の影響による幻覚

〇トンネルや光、美しい景色などの臨死体験を、低酸素状態の脳が起こす現象

〇体脱体験(自分の意識が飛んで、横たわる自分の身体を上から見ている体験)を脳のデータ処理のミス

と、それぞれ結論づけた。

 

科学で一定根拠を持って裏付けられる内容が、自らの信念に合致しない、というところである意味「感情的に」、霊能者の科学不信になる部分があるのだとすると、それは受け手の側に問題があるのでは?

今の科学で説明できない事実があるとの信念があるとしても、発展し続ける科学の将来まで否定するのはある意味傲慢なのでは?

 

体脱体験の実験(写真)では、被験者にゴーグル内で自分の背中とその上を動く赤い点の映像を見せる。その赤い点とシンクロして動くロボットアームで、被験者の背中に動く圧迫感を与える。

この実験で被験者は、自分の意識が自分の身体から離れて宙に浮かぶ感覚を得た、と訴える。

 

しかしこの実験では、そもそも自分の身体の映像をゴーグルで見せている

つまり視覚情報でデータ処理のエラーを起こさせている。

 

実際の体脱体験では、外的要因でなく「自己完結的に」自分の身体を客観視している。

それが脳のエラーだとして、そのエラーを引き起こしているのが何なのか特定できてないのに、体脱体験が脳のデータ処理エラーと断定するのは、恣意的であり行きすぎではないだろうか?

このような論調が科学者への不信を高めるのかもしれない。

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体脱体験実験

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実験者ブランケ博士