「意識はフォトン」論
「物質から如何に意識が発現するのか」
この問いかけに対してはまず、「意識」とは何なのか、その指し示すところをはっきりさせなければなりません。
今のところ明確に定義された学術用語としての「意識」が確立している訳ではなく、それで何を意味するかは研究者による、というのが実情です。
例えば統合情報理論ではそれはクオリアであり、受動意識仮説ではそれは何かに注意を向ける心の作用、という風に、その是非はともかく論者によって内容が異なるのが現状です。
ただ、人の精神活動の一部を指している、というのは共通項と見てよいでしょう。
「意識の正体はフォトンである」
フォトン”photon”とは光の粒子でありボソンの一種たる素粒子ですが、この言明は何を意味しているのでしょうか?
現代脳科学では物質たる脳の活動の所産として意識を捉えようとしています。
私の理論ではその脳のところがPFOに取って代わりますが、いずれにせよそれは物質であり、意識の発現メカニズムの解明が期待されるところ。
その様な科学研究を絶望視し、意識を物質とは別の、科学ではリーチできない対象とみなすのであれば、それはそれでその実情を如何にして証明するのか、如何にしてそれが将来の人類の知識たり得るのか、というより重度な難題に立ち向かわなければなりません。
そして、「意識の正体がフォトン」論。質量が無く1秒に地球を7周り半周する程の高速移動を常に続けるフォトンが我々の意識の実体である、とは一体どのような世界観なのでしょう?
「この意識たるフォトンを我々は常に発信している。
そしてその周波数はポジティブな感情の人ほど高い。
うれしいという感情を抱いた人のフォトンの周波数は、悔しいという感情を抱いた人のフォトンの周波数より高い。」
人は常にフォトンを発信しています。それは間違いありません。
それは体温によるものであり、体温が36℃の場合波長9.4マイクロメートルの遠赤外線という形で放出されています。
そして一般に高温な物質程放出する光の波長は短くなります。
明言しますが、ポジティブな気分の人ほど高周波数、即ち短波長な遠赤外を放出していうという事実はありません。
何かに喜んでいる人が、悔しがっている人より体温が高い、という事実もありません。
そもそもこのような議論において、その波長が実際にいくらなのか、その数字を明示しているものがありません。
そのことも、それが観測された事実ではない事を物語っているのではないでしょうか?
何の科学的根拠もない科学談義に惑わされないように。
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