Beyond Visibility

不思議現象を「根拠を持って」科学する

多次元宇宙1

心霊写真や霊にまつわる体験談などを扱うTVの心霊番組は、常にと言ってよいほど、恐怖心をかきたてる演出が付き物となっている。
おどろおどろしい効果音やBGM、そして画像、見せ場ごとに出演者や特に女性の観客から発せられる黄色い声などなど。
こういった演出はどのような効果を狙っているのだろう?理由は明白である。
TV番組、バラエティ番組であればなおさら、どんな形にせよ視聴者の興味をあおることができれば、視聴率に絡んだTV局の要請に答えられるのである。
本来興味本位なのだから、なるべく視聴者の心をつなぎとめておきたい。
民放となると、合間合間にCMをはさまなければならない関係上、それに抗して視聴者を逃さないためのあの手この手は、傍から見ていて涙ぐましいものさえ感じる(もちろんこのような事情は心霊番組に限ったことではないが)。
友人や家族と一緒にTVを囲んでいるのであれば、番組ディレクタの策略にむしろ乗っかって、敷かれた路線の上でワイワイ気楽にやるのも楽しみ方としてよさそうである。居酒屋でのコンパみたいなものだ。
周囲がテンション高く盛り上がっているときに、無理に冷静に努め他人の発言の真意を探ろうと言うのでは、そもそもコンパへの参加意義が問われよう。
けれどもここでは、斜に構えてと言っては語弊があるがちょっと一歩引き、ディレクタの策謀を見透かす「冷静さ」をもって、心霊番組を観てみるとしよう。
「心霊」の画像が出てくるたびにけたたましくキャーキャーと賑やかなものだ。
だが果たして、心霊体験を見聞きすることが、それ自体恐れるべきことだろうか。もっと言えば、幽霊とは怖いものなのだろうか。(つづく)
 
 
 
の中のVolume 5, Number 10, October 2013
"Fermion field in the vicinity of a brane"